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活動内容

シンポジウム・講演会

【年度】2019年度

地区別講演会・菰野

開催日:令和元年7月24日(水)
会 場:菰野町商工会館
講 師:松本 真由美 氏(東京大学 教養学部 客員准教授)
演 題:「再生可能エネルギーの主力への挑戦」
     ~低炭素社会を目指して~
共 催:菰野町商工会、四日市商工会議所、いなべ市商工会
    東員町商工会、朝明商工会、楠町商工会

■講演要旨■
 松本氏は、IEA(世界エネルギー機関)によると、2017年から40年間の再生可能エネルギー(以下「再エネ」)への投資額は7兆ドル(約720兆円)になる見込みであるなど、世界的に再エネへのシフトが進んでいるとしました。その背景には、地球温暖化問題があり、台風やハリケーンなどの大型化、洪水、大寒波などが脅威とされ、昨年7月の西日本豪雨についても、地球温暖化による気温上昇が影響しているとの気象庁の報告がまとめられたことなどから、脱炭素化に向けて、温室効果ガス排出量の削減に取り組む重要性を示唆しました。

 なお、我が国はエネルギー自給率が約9.5%(2017年)と低く、昨年7月に発表された第5次エネルギー基本計画では、2030年に向け、一次エネルギー自給率25%を目標とし、原子力をゼロエミッション電源かつ重要なベースロード電源として位置付けた他、初めて「再エネの主力電源化を目指す」と打ち出した。そこで、脱炭素化に向けた再エネの導入拡大への課題とその対策について、皆様と共有したいとしました。

 まず、導入が進む太陽光発電については、世界と比較してもコスト高(欧州の約2倍)である点が課題と指摘し、機器設置工事費などで差が生じているとしました。さらに、2040年には太陽光パネルの大量廃棄時代が到来(産業廃棄物の約6%と推定する試算がある)する。不法投棄や放置など環境への影響を考えるうえで、有価品の金属(アルミ、銀など)のリサイクルなども低コストで効率的に実施できるようにするべきではないかとしました。

 次に、風力発電については、適地が偏在しているものの、大型風車やメンテナンス手法の技術開発により風力発電設備の設備利用率は向上している。長期化している環境アセスの迅速化などが求められるとしました。

 一方、洋上風力の導入拡大に向けては、国が5カ所の促進地域を指定し、2030年度までに事業化を目指しているとし、洋上風力の本格導入への課題は、港湾の拠点港として、巨大クレーン設置のための地耐力強化などの整備コストがかかること、風車の建設工事に必要な大型クレーンを搭載した自己昇降式台船(SEP)を日本の規模に適合するよう開発することなどが挙げられるとしました。

 このように、再エネ導入拡大に向けた課題は、発電コストが世界に比べて高いこと、固定価格買取制度(FIT)による国民の経済負担の増大している(日本が2012年~2016年の「5年間」に再エネ比率を5%増加するのに要した国民負担は2.25円/kWhでドイツやイギリスと比べても相当高い)ことに加えて、太陽光や風力の出力変動などにより、電力の需給調整が困難となっていることとし、その解決に向けては、送電線の運用ルールの見直しや蓄電池の低コスト化に向けた技術開発が必要であるとしました。

 また、再エネの電気を水分解させて水素を製造し、その水素を貯蔵し燃料電池で発電すること、さらにその水素を液化してタンクローリーで輸送する技術開発が進められているとし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは選手村に水素エネルギーを中核にした電力・熱の供給システムを構築し、大会後の選手村は水素タウンとして再整備する構想があるとしました。

 最後に、「脱炭素化」は今後のエネルギー政策の重要なポイントである。日本は「再エネの主力電源化への挑戦の途上」にある。「再エネの低コスト化」「地域との共生」を図りながら、「日本の強みを活かした分野の技術開発」を進め、「経済成長へと繋ぐこと」が期待されるとしました。

2019年度の実績はまだございません。

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