令和7年度 事業計画
1 基本方針
世界のエネルギー需要は、国際エネルギー機関(IEA)の報告書では、2010年から2023年にかけて、電力消費量は総エネルギー需要の2倍の速さで増加し、更に2035年の間に、電気自動車の普及、エアコンの使用、経済のデジタル化、人口知能(AI)の拡大などにより、電力需要はエネルギー需要全体の6倍の速さで成長すると予測しており、「エネルギーの歴史は、今や急速に電気の時代へと移行している」との認識を示しています。
また、エネルギー安全保障については、ロシアによるウクライナ侵略や中東地域での紛争といった地政学的な緊張や情勢不安は、引き続き世界にとって大きなリスクであると懸念しています。
本年2月に日本のエネルギー政策の基本的な方向性を示す「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定され、2040年に向けて、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)の進展による電力需要の増加が見込まれる中、すぐに使える資源に乏しく、国土を山と深い海に囲まれるなど地理的制約を抱える我が国固有事情を踏まえ、エネルギー安定供給と脱炭素を両立する観点から特定の電源や燃料源に過度に依存しないようバランスのとれた電源構成を目指すとされ、そのために徹底した省エネルギーなどを進め、再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用していくことが示されました。
また、環境面では昨年の猛暑にみられるような異常気象による産業や生態系などへの大きな影響と健康被害の増大、そして大規模な自然災害等に対する具体的な対策についても重要な課題となっています。
エネルギー問題と地球温暖化問題についての危機感が高まる中、エネルギーの安定確保と環境問題に対処するためには、エネルギー政策の要諦である「S+3E」である安全性を大前提に、エネルギー安定供給を第一として、経済効率性の向上と環境への適合を図ることが重要であります。
エネルギーは、日々の生活に密接に関わるものであり、エネルギー政策について、県民のみなさまが当事者意識を持っていただくことが何より重要であると考えます。
そこで、令和7年度は、引き続き、講演会、E&Eサロン、見学会およびE&Eフォーラム、会員向け見学会を継続実施し、将来の担い手となる次世代層に対するエネルギーの基礎的な知識を学習する機会を設けるとともに、Webサイトなどによる情報発信に努め、エネルギー・環境問題について、一人でも多くの県民のみなさまに「聴いて」「見て」「感じて」いただき、「自らの問題として捉え、考え、行動していただく人の輪」の拡大に繋がる活動を実施していきます。
2 活動計画
(1)啓発活動
ア 会員に対する啓発活動
①講演会、E&Eサロンの開催
②エネルギーや環境関連施設見学会の開催
③E&Eフォーラムの開催
④メディアへの広告出稿
⑤会報誌の発行(年1回)
⑥ホームページによる情報発信・提供
イ 県民に対する啓発活動
①講演会の開催
②エネルギーや環境関連施設の公募見学会の開催
③ラジオによる情報発信
④メディアへの広告出稿
⑤各種団体の大会誌等への広告出稿
⑥ホームページによる情報提供
⑦会員の拡大
ウ 次世代層に対する啓発活動
①エネルギーや環境に関する学習会の開催
②エネルギーや環境関連施設見学会の開催
(2)要望活動および項目
ア 三重県、三重県議会
①エネルギーや環境問題への理解に資する情報発信と諸施策の推進
②脱炭素社会の実現に向けた諸施策の積極的な推進
③将来において目指すべき社会を実現する担い手である、次世代層に対するエネルギーや環境教育の積極的な推進
④「第7次エネルギー基本計画」に基づく諸施策の展開と県民に向けた理解活動の推進
イ 経済産業省 中部経済産業局
①我が国の持続的発展につながるエネルギー施策への理解活動の推進
②安全性、安定供給、経済性、環境適合性を確保したエネルギーミックスの実現に向けた諸施策の確実な実施
③「第7次エネルギー基本計画」に基づく諸施策の展開
ウ 県内市町の首長と議長、経済界を始めとする関係諸団体に側面的支援を依頼
(3)各種団体との連携強化
上記の啓発活動をより効果的なものにするため、経済界を始めとする関係諸団体と連携した活動を積極的に展開する。
以 上